進学情報誌『逆引き大学辞典』の大迫編集長と、スクールプランナーの高倉さんに、オープンキャンパスと大学選びに関する疑問に答えていただきました。
オープンキャンパス参加前はどんな準備をすればいい?
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POINT
- 見逃せないポイントを事前にチェック
- 高校進路行事はしっかり参加
大迫 プログラムはたくさんあるし、キャンパスは広い。1日で全部は見て回れないと思うので、見学場所を絞ることになるでしょう。そのためには、自分にとって見逃せないポイントを事前に洗い出しておく準備が重要です。
高倉 高校で実施される進路行事にしっかり参加することはもちろん、進路指導室に掲示・設置されているオープンキャンパスのポスター・パンフレットを見て、単に日程だけではなく、プログラムの内容も把握しておきましょう。
大迫 参加後に、他の大学と比較検討することも重要です。これは本命大学選びだけでなく、第2志望となる大学のよさを発見するためにも役立ちます。
- 『逆引き大学辞典』の大迫和亮編集長
- 『逆引き大学辞典』は全国の高等学校に毎年70万部を発行する進学情報誌。学びたい学問分野から設置学科・学部・大学を逆算して探すことができる。また、インターネット版『逆引き大学辞典』から『逆引き大学辞典』や大学案内の資料請求ができる。
総合型選抜・学校推薦型選抜を考えている人はオープンキャンパス参加時に何をチェックすればいいですか?
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POINT
- 真剣に参加する緊張感を持とう
- 改めて志望動機を確認する場でもある
高倉 昨今、大学入試は多様化していますので、プログラムの中に「入試対策講座」や「入試説明会」などがあれば必ず参加してください。募集要項には明記されていない入試のポイントが聞けると思います。総合型選抜・学校推薦型選抜は「その大学に入りたい」という気持ちがあることが前提ですから、真剣にオープンキャンパスに参加する姿勢が欠かせません。
大迫 総合型選抜・学校推薦型選抜を考えている人は、専願のケースが多いはず。志望動機は固まっていると思うので、それと現実の大学の姿をマッチングさせる場となります。思い通りなら自信を持って面接などに挑めるでしょうし、ズレていたなら志望動機を調節する。あるいは受験自体を考え直すことも視野に入ってくるでしょう。
大学選びは学びの内容以外にどんなポイントに注目してチェックしたらいいですか?
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POINT
- 見落としがちな大学との相性を確認
- 自分を鍛えられる教育方針の確認も重要
高倉 軽視されがちですが、大学との相性を確認することがすごく大切です。例えば系列の違うコンビニが並んでいたとして、同じようなものを売っているのに自分はいつもA店に行くということがあるでしょう。それは大学にも当てはまることで、要因としては大学の規模、サポート体制、在学生の服装や会話のレベルなどが挙げられます。また、1人暮らしを予定している人は、大学周辺の環境も大切。実際に大学を訪れないとわからないことが多いので、オープンキャンパスでしっかりチェックしてください。
大迫 大学には研究機関としての役目と、人材育成の役目があります。大学選びの際に注目すべきは、主に人材育成の面。大学生活の中で自分をどれだけ成長させてくれるのか見極めてほしいと思います。 例えばアクティブラーニング(能動的学習)をはじめとする近年注目の学習方法の積極導入、就職講座の充実など、個性的かつ明確な教育ビジョンがあること。それが自分の志向と合うのが理想的ですね。
よりよい大学選びをするために、これからどんな点に気をつけて高校生活を送ればいいですか?
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POINT
- 自分の興味関心を深く知る努力を
- 能動的学習スタンスへ切り替えていこう
高倉 自分の興味・関心を明らかにして、それを深く知る努力をしましょう。例えば昨今人気のグローバル系でも「語学重視」か「国際ビジネス重視」かで選択する大学・学部は違ってくるはずです。深く知ることによって、自ずと学ぶベき分野が見えてきて、大学選びも比較的スムーズに行くはずです。
大迫 高校までの学びは、どちらかといえば受け身の姿勢。文理選択と科目選択はありますが、それ以外は決められたレー ルの上を走ってきたといってもいいでしょう。大学では学部・学科の選択はもちろん、時間割も自分で決めることになりま す。高校時代とは逆に、何ごとにも能動的な姿勢が求められるということです。今は、能動的な学びのスタンスに切り替え るための準備段階としましょう。大学からたくさん刺激が得られるオープンキャンパスへの参加は、その良いきっかけにな ると思います。