系統別学問内容リサーチ
理学系統
自然界では、目に見えないナノのサイズから、地球外の惑星や銀河の世界まで、さまざまな現象が起きています。 理学は、これらの現象を科学の眼で観察し、実験や検証を通してその原因を解明する学問系統です。
この系統の学問分野
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数学の分野
論理的思考によって、数・形・集合などの抽象的な概念の構造と原理(性質)を解明する理系の「哲学」。近代科学の土台となる基本的概念や定義、論理、推論の方法を研究する
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物理学の分野
自然界に生起する興味深い諸現象を実験と観察とデータ分析によって実証的に捉え、その運動や物質の構造や重さといったものの、基本原理と法則性を解明する科学のなかの科学
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化学の分野
自自然界のあらゆる物質の特性と反応のしくみを取り出し、物質の構造と性質を解明。それらを違う分量で化合したり、別の組合せにして、これまでになかった新しい「物質」を作り出す
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生物学の分野
生物の構造や営みに共通で見られる《法則性・普遍性》と、それがさまざまに分化して生みだす《多様性》を抽出。その神秘に満ちた<生命活動>を理論的に説明できる体系を打ち立てる
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地学の分野
無数の生命を育む地球の構造や運動のメカニズムを包括的に学習。そこで行われる生命活動とその環境を分析し、地球の未来にアプローチする。地震などの災害対策など応用的側面も拡大
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広域科学の分野
呼び名のとおり“幅広い自然科学の手法を総動員”して、長期的研究テーマ、将来の開発につながる科学研究のシーズを育てる先進的理学分野。個別科学を横断するシステム学の色彩も
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理学系学際の分野
既存の諸科学を融合した学際的な手法で科学の新局面を追究。《広域科学》の分野と似た内容ですが、「環境」「情報」「物質」「生命・バイオ」「システム科学」などの実践テーマに取り組む
教育・研修のめざすもの
ミクロの世界から宇宙まで、自然界の「真理」を追究
理学は、さまざまな自然界の「真理」を追究する学問系統で、自然に存在する物質や現象の原理・法則性を解明して、理論を打ち立てることを目的としています。
学問対象は、自然現象の法則性(物理学)、物質の構造と性質(化学)、自然界の生き物(生物学)、地球と宇宙(地学)、そして自然現象を計測、計算するために用いる抽象的な概念と論理(数学)と多岐にわたり、目に見えないミクロの世界から巨大な宇宙まで広がっています。
たとえば「地球上の生命の誕生」や「宇宙のはじまり」といった、人間の純粋な知的好奇心に応えるテーマが中心ですが、工業や農業、医療などの応用技術に供するための基礎研究も含まれます。また、バイオサイエンス(生物学・化学)、環境科学(化学・生物学・地学)、数理科学(数学)など、従来の分野の枠を超える学際的な学問領域も発達しており、新たな応用技術への期待が広がっています。
将来の進路・職業
論理的な思考力と実証的態度が多方面への進出を拡大
理学の研究は、自然現象や生き物を詳細に観察して記録したり、明確な目標とプランを立てて実験を行い、結果を検証するといった手順で進められます。研究者は、観察と実験データに基づいて、真理に近づいていきます。そこで、この分野では論理的な思考力や現象を正確に見つめる洞察力はもちろん、粘り強く実験に取り組む探究力が大切となります。
高度で幅広い専門知識と、実験や検証を遂行するための実践技法を修得することで、大学の研究職、企業の研究所勤務の開発職など、理学研究者や理数系の教員への可能性が広がります。
企業内では、そのほかにも理学の専門知識を必要とする職種があります。たとえば、製造業や化学工業、食品や薬品工業の現場で開発を担当する仕事、さらに、開発した製品を販売する「営業職」、製品について顧客に解説したりアフターケアをする「技術営業職」、製品の性能とメリットを一般向けにアピールする「宣伝・広告職」などがあります。